BOOKS
たむちゃん農園の書斎から
農業の「暗黙知」を言語化する。大田市場の目利きが現場と論文の両方で見つけた、農業の真実。
マンガでわかる!
農家が解説するクエン酸回路
「日当たりさえ良ければ育つ」と思っていませんか?──光合成の常識を疑う、呼吸と代謝の話
「光合成が命」だと思ってきたその常識、呼吸というもうひとつの代謝を見落としていないか。
畑に日が差せば差すほど作物は元気に育つ、と信じて疑わずにきた人へ。光の強さがある一線を超えると光合成の速さはもう増えていない。それどころか、真夏の強すぎる光と高温は葉を傷め、気孔を閉じさせてしまうことすらある。
山形県遊佐町で自然栽培を営む著者が、自分の畑で抱いた「本当に日当たりが全てなのか」という疑問をGemini Deep Researchによる文献調査で徹底的に検証し、科学的な裏付けが取れた部分だけをこの一冊にまとめた。ATPちゃん・糖ちゃん・ミトコンドリアさんら体内の物質たちを擬人化したキャラクターが、畑の中で起きている代謝のドラマを高校生でもわかるレベルで見せてくれる。
- 光合成産物はただの「食材」──糖がそのまま作物の体になるわけではない
- 呼吸というエンジン──クエン酸回路が糖を血肉に変える心臓部
- 肥料は多いほどいいのか、適量なのか、無肥料でも育つのか
- クエン酸回路の中間体は、実は植物ホルモンの材料にもなっている(前作『植物ホルモン』ともつながる話)
- 巻末には看護・薬学を学ぶ方にも役立つ「クエン酸回路の覚え方」コーナーも収録
マンガでわかる!
農家が教える五大植物ホルモンの働き
オーキシン・ジベレリン・サイトカイニン・エチレン・アブシジン酸とは?なぜ効くのかをわかりやすく解説
「脇芽をかくと、なんでこんなに実がなるんだろう」──その「なぜ」を、なんとなくのままにしていないか。
多くの農家は、その答えを深く追いかけないまま、先輩や動画で見た通りのやり方を繰り返す。それでも野菜は育つからだ。でも「なぜそうなるか」が分かった瞬間、同じ作業がまったく違って見えてくる。本書は、その「なぜ」だけを追いかけた一冊。
専門用語をいきなり並べず、まず漫画で「畑のあるある」を見せ、そのあとで図解を使って「なぜそうなるか」を一つずつ確かめていく。主人公ハルカが「え、なんでですか?」と聞くたびに著者・田村翔が答える構成で、現役農家×植物ホルモン専門×漫画形式の三条件が同時に揃った一冊(自社調べ)。
- オーキシン──頂芽優勢や挿し木の発根を司る「成長の司令塔」
- ジベレリン──徒長・種なし化・休眠打破のスイッチ
- サイトカイニン──脇芽が伸びる・老化を遅らせる仕組み
- エチレン──追熟・落葉・ストレス応答の気体ホルモン
- アブシジン酸──休眠・乾燥ストレス耐性を作る「守りのホルモン」
農家が教える、
農家のための、お金の教科書
新規就農1年目から差がつく|確定申告・青色申告・節税・補助金・社会保険の超入門
「農業は、収入より、支払いが先に来る。」──就農1年目、鉄の杭1本が買えなかった話。
就農したその春、通帳に残っていたのは約20万円。種代・資材代の請求はすぐにまとめてやってきたのに、畑はまだ1円も生んでいない。削ったのは、たった8万円のトンネル用の鉄の杭。結果、雨ざらしになったメロンとスイカは病気と虫にやられ、夏の売上をそれ以上に削って返ってきた。
日商簿記2級・農業簿記2級・FP2級を就農前に取得していた著者ですら、この失敗は避けられなかった。「机の上の勉強は、農家の春を守ってくれなかった」──その反省から、現場で本当に必要な確定申告・青色申告・節税・補助金・社会保険の「型」を、順番どおりに一冊にまとめた。
- 年商ではなく「所得」を見る──3つの言葉が混ざると事故る理由
- 就農1年目からの確定申告・青色申告65万円控除の取り方
- 役場の収支モデルは出発点に過ぎない──値段は自分で今のものに引き直す
- 補助金・日本政策金融公庫の融資と、資金繰りの現実
- 経費に入れていいもの・いけないもの、「隣の農家の適当」を正解にしない
肥料危機──
今更聞けない、石油って何?
ホルムズ封鎖で農家を直撃する『石油・肥料・ビニール』の正体
「中東の石油が、なぜ自分の畑の肥料代を直撃するのか?」
ホルムズ海峡封鎖のニュースで肥料代が上がっても、その仕組みを正確に説明できる人は少ない。「石油から作るから」と知っているだけで、何がどう繋がっているのか分からない。仕組みを知らないままだと、毎年振り回されるだけだ。
本書は、化学者でも経済学者でもない、山形の自然栽培農家が、「自分も知らなかった」と正直に告白するところから始まる。一年かけて論文を読み、専門家に問い合わせ、農家目線で確認しなおした「石油・肥料・ビニール」の正体を、噛み砕いて書いた。
- 石油の正体──恐竜の死骸ではなく、数億年前のプランクトンだった
- 日本に石油がない理由──プレートが「缶詰」を割った地質的宿命
- 「肥料は石油でできている」は半分正解──本当の主役は天然ガス
- ビニールは原油の副産物──1反のフィルム=原油約100kgという物理量
- リービッヒの桶を、否定するのではなく拡張する──森が肥料なしで育つ事実
剪定って結局こういうことでしょ
〜散々失敗した過去の自分への手紙 植物ホルモンを活かす〜
「立ち枝は活かせ」は本当に正しいか? 植物ホルモンが教える、剪定の答え。
果樹栽培に挑戦したての農家は、正反対の情報が飛び交う中で迷子になっている。「立ち枝を全部残せ」という農法に心酔したある年、柿の収穫量は100個から5個へ激減した。その失敗から見えてきたのが「基部優勢」という植物ホルモンの鉄則だった。
本書は、農業書でも専門書でもない。「過去の自分」への手紙だ。樹の灯台(自己保存・子孫繁栄)と、人間の灯台(収穫・経営)のスイートスポットを、植物ホルモンの流れから論理的に導き出す。
- なぜ「立ち枝を残す」と収穫が激減するのか、ジベレリンで解説
- 「基部優勢」を理解すれば、剪定の答えが見えてくる
- 世界の論文データが示す「完全自然栽培」の現実
- 落葉果樹と常緑果樹、剪定アプローチが違う理由
- 樹と人間、両方の「灯台」を満たす剪定のスイートスポット
植物ホルモンが教える
「窒素」の真実
最新論文を明日から畑で使える武器にする! どこよりも分かりやすく図解入りで解説
肥料は「メシ」じゃない。「手紙(シグナル)」だった。
私たちはずっと、肥料を「植物の食事(栄養素)」だと思ってきた。しかし2021年、権威ある学術誌『Current Biology』に発表された論文が、その常識を根底から覆した。植物は肥料を栄養として吸収するより先に、まず「シグナル(手紙)」として読み解き、成長のスイッチを入れていた。
成長を抑制する「DELLAタンパク質」と、それを破壊する「ジベレリン」。そしてジベレリン合成を起動させる「硝酸態窒素シグナル」。この三者の連鎖反応を理解すれば、あなたの施肥設計は明日から変わる。
- 「DELLA(デラ)タンパク質」とは何か、なぜ成長を止めるのか
- 硝酸態窒素が「シグナル分子」として機能するメカニズム
- ジベレリンとDELLAの「綱引き」が決める成長タイミング
- 施肥のタイミングと効果を最大化するための考え方
- 現場農家の疑問に答えるQ&Aパート収録
── もう一つの顔 ──
夏目隕石NATSUME INSEKI もう一人のたむちゃんを覗いてみる →