BOOKS
たむちゃん農園の書斎から
農業の「暗黙知」を言語化する。大田市場の目利きが現場と論文の両方で見つけた、農業の真実。
肥料危機──
今更聞けない、石油って何?
ホルムズ封鎖で農家を直撃する『石油・肥料・ビニール』の正体
「中東の石油が、なぜ自分の畑の肥料代を直撃するのか?」
ホルムズ海峡封鎖のニュースで肥料代が上がっても、その仕組みを正確に説明できる人は少ない。「石油から作るから」と知っているだけで、何がどう繋がっているのか分からない。仕組みを知らないままだと、毎年振り回されるだけだ。
本書は、化学者でも経済学者でもない、山形の自然栽培農家が、「自分も知らなかった」と正直に告白するところから始まる。一年かけて論文を読み、専門家に問い合わせ、農家目線で確認しなおした「石油・肥料・ビニール」の正体を、噛み砕いて書いた。
- 石油の正体──恐竜の死骸ではなく、数億年前のプランクトンだった
- 日本に石油がない理由──プレートが「缶詰」を割った地質的宿命
- 「肥料は石油でできている」は半分正解──本当の主役は天然ガス
- ビニールは原油の副産物──1反のフィルム=原油約100kgという物理量
- リービッヒの桶を、否定するのではなく拡張する──森が肥料なしで育つ事実
剪定って結局こういうことでしょ
〜散々失敗した過去の自分への手紙 植物ホルモンを活かす〜
「立ち枝は活かせ」は本当に正しいか? 植物ホルモンが教える、剪定の答え。
果樹栽培に挑戦したての農家は、正反対の情報が飛び交う中で迷子になっている。「立ち枝を全部残せ」という農法に心酔したある年、柿の収穫量は100個から5個へ激減した。その失敗から見えてきたのが「基部優勢」という植物ホルモンの鉄則だった。
本書は、農業書でも専門書でもない。「過去の自分」への手紙だ。樹の灯台(自己保存・子孫繁栄)と、人間の灯台(収穫・経営)のスイートスポットを、植物ホルモンの流れから論理的に導き出す。
- なぜ「立ち枝を残す」と収穫が激減するのか、ジベレリンで解説
- 「基部優勢」を理解すれば、剪定の答えが見えてくる
- 世界の論文データが示す「完全自然栽培」の現実
- 落葉果樹と常緑果樹、剪定アプローチが違う理由
- 樹と人間、両方の「灯台」を満たす剪定のスイートスポット
植物ホルモンが教える
「窒素」の真実
最新論文を明日から畑で使える武器にする! どこよりも分かりやすく図解入りで解説
肥料は「メシ」じゃない。「手紙(シグナル)」だった。
私たちはずっと、肥料を「植物の食事(栄養素)」だと思ってきた。しかし2021年、権威ある学術誌『Current Biology』に発表された論文が、その常識を根底から覆した。植物は肥料を栄養として吸収するより先に、まず「シグナル(手紙)」として読み解き、成長のスイッチを入れていた。
成長を抑制する「DELLAタンパク質」と、それを破壊する「ジベレリン」。そしてジベレリン合成を起動させる「硝酸態窒素シグナル」。この三者の連鎖反応を理解すれば、あなたの施肥設計は明日から変わる。
- 「DELLA(デラ)タンパク質」とは何か、なぜ成長を止めるのか
- 硝酸態窒素が「シグナル分子」として機能するメカニズム
- ジベレリンとDELLAの「綱引き」が決める成長タイミング
- 施肥のタイミングと効果を最大化するための考え方
- 現場農家の疑問に答えるQ&Aパート収録
── もう一つの顔 ──
夏目隕石NATSUME INSEKI もう一人のたむちゃんを覗いてみる →