ブログ / 農機具

農機具の選び方

マキタの刈払機、結局どれを買えばいい?
18V・36V・40Vの違いを、農家目線で全部整理した

2026.05.30 ・ たむちゃん農園 田村翔

先日、これから就農する新人さんに「マキタの刈払機を入れたいんですけど、18Vとか36Vとか40Vとか、何が違うんですか?」と聞かれました。
正直、わたしも金物屋さんに勧められるまま40Vを使っているだけで、ちゃんと説明できなかった。
「金物屋さんの言うまま、この子に勧めていいのか?」と引っかかったので、AIに徹底的に調べさせて、自分の言葉で整理し直しました。同じところで迷っている人の役に立てば。

※本記事にはAmazonアソシエイト(アフィリエイト)リンクを含みます。実際にわたしが使っている道具を、参考としてご紹介しています。

💡 先に結論だけ
  • これから新しく買う(マキタを持っていない)なら → 40Vmaxで間違いなし。金物屋さんの勧めは正しい。
  • すでに18Vのバッテリーを何本も持っているなら → 「18V×2」も今でもかなり賢い選択。
  • 金物屋さんの「36Vはもう無くなる」は、半分本当・半分は誤解。理由は本文で。
🚜 わたしがマキタに乗り換えた理由(実体験)

もともとガソリン(エンジン)式を使っていましたが、とにかくうるさいし、重い。ガソリンだの混合油だのの管理が面倒で、冬に油を抜き忘れると、それだけで簡単に壊れる。これが本当にストレスでした。

ちょっと値は張るけど、今はマキタの充電式を愛用しています。一番出番が多いのが、この刈払機です。買うときは金物屋さんに勧められるまま40Vを選びました。

※「草刈機」とよく言われますが、農機具メーカーや法令上の正式名称は「刈払機(かりはらいき)」。この記事でもそう呼びます。

マキタ 充電式草刈機 40Vmax MUR001GRM
🌾 わたしはこれを使ってます!
マキタ 充電式草刈機 MUR001GRM(40Vmax)

4.0Ahバッテリ・充電器付きのセット品。Uハンドル仕様で、後端モーター配置のあのバランスです。金物屋さんに勧められて選んだ、わたしの相棒。

Amazonで見る

01そもそも「V(ボルト)」って何の数字?

18Vだの40Vだの言われても、まずこの数字が何なのかが分からないと話が進みません。難しい言葉を3つだけ、ここで押さえておきます。

🔧 最低限おさえる3つの言葉
V(ボルト)
パワーの源(電圧)。数字が大きいほど力強く、しかも熱くなりにくい
Ah(アンペアアワー)
バッテリーの容量。どれだけ電気をためられるか。
Wh(ワットアワー)
V × Ah=実際のスタミナ(仕事量)。「どれだけ長く使えるか」はこの数字で見ると正確。

ポイントは、「長く使えるか」はV(電圧)だけでは決まらないということ。Vが大きくても容量(Ah)が小さければ、すぐ電池が切れます。後半の比較は、この「Wh(スタミナ)」を物差しにすると分かりやすくなります。

02「36Vはもう無くなる」── 金物屋さんの言葉の正体

わたしが一番モヤっていたのがこれです。販売店で「これからは40V。36Vは無くなるよ」と言われると、初心者は不安になりますよね。調べたら、この一言には2つの話が混ざっていました

① 昔の「単体36V専用バッテリー」は、確かに生産終了

マキタには昔、1本で36Vを出す専用バッテリー(BL3626など)がありました。これは専用の充電器も必要で、今ははっきり生産終了になっています。販売員さんが「36Vは無くなった」と言うとき、第一にはこの旧型バッテリーのことを指しているのが正確なところです。

② でも、今主流の「18V×2(実質36V)」は無くならない

今、現場で広く使われている36Vは、18Vのバッテリーを2本差して36Vにするタイプ(18V×2)。こちらはマキタの最大の主力で、無くなるアナウンスは出ていません。同じ「36V」でも、消えた旧型バッテリーとは別物なんです。

ついでに言うと、ガソリンのエンジン式の機器は2022年3月末で生産終了。マキタは「脱エンジン(充電式への切り替え)」を公式に掲げていて、開発の主軸を高出力の40Vに移している。「36Vが消える」という噂は、この『旧型バッテリーの終了』と『開発の主軸が40Vへ移っている』が、ごちゃ混ぜになったものだったわけです。

0340Vmaxの正体 ── 実は中身は「36V」

ここが個人的に一番おもしろかったところ。40Vmaxの本当の電圧(定格)は、実は36Vなんです。

電池のセルは満充電の直後だけ電圧が高く出るので、その瞬間の最大値(max)がだいたい40V。マキタはそこを取って「40Vmax」と名乗っています。名前は40Vでも、普段使っている力は36Vということ。ライバルのハイコーキが「36V」と表記しているので、数字で差をつける意味合いもあるようです。

📌 つまり

「36V → 40Vへの移行」とは、電圧が上がるという話ではなく、同じ36Vの電圧帯で、中身が新しい世代に進化したと理解するのが正解です。

04重さ・値段・長持ちで比べてみた

金物屋さんでの疑問「18V×2と40Vmax、結局どっちがいいの?」を、スタミナ・値段・重さ・長持ちの4点で並べてみます。

スタミナ(連続作業)は、意外にも 18V×2 が上

さっきの「Wh(仕事量)」で比べると、こうなります。

システム使うバッテリー合計の仕事量(Wh)連続作業
18V×2(36V)18V・6.0Ah ×2本216Wh長い
40Vmax36V・4.0Ah ×1本144Whやや短い

← 表は横にスクロールできます

意外でした。バッテリーの総スタミナだけ見ると、18V×2の方が大きい。広い平地をひたすら刈り続けるような作業では、18V×2が今でも強いんです。値段(Whあたりの単価)も18V×2の方が安めで、コスパは良い。

重さ ── 40Vのバッテリーは重い。でも振り回しは軽い

40Vのバッテリーは中身が頑丈な分、1本が結構重い。「40Vの4Ahバッテリーは重たい」という声も実際あります。

ところが、最新の40Vの刈払機はモーターを手元側(後ろ)に置く「後端モーター配置」という設計で、刃の先っぽが軽くなっている。だから置いたときの総重量は重くても、左右に振ったときの取り回しは軽く感じる。エンジン機に近いバランスです。長時間の草刈りでは、これが地味に効きます。

「長持ち」には2つの意味がある ── どちらも40Vが強い

「長持ち」は、①機械としての頑丈さ と ②1回の充電でパワーが続くか、の2つに分けられます。この2つはどちらも40Vmaxが優勢でした。

  • 頑丈さ:40Vのバッテリーは防水防じん規格「IP56」に対応。朝露・泥水・樹液が当たり前の農作業で、これは大きい保険になります。
  • パワー維持:18Vは電池が減るとパワーも落ちがち。40Vは「スマートシステム」で空っぽ直前までパワーが落ちない。硬い草・太い茎を最後まで一定の力で刈れる。
  • 熱に強い:電圧が高いほど流れる電流が小さく、発熱が少ない。夏の炎天下の連続作業で、熱による自動停止が起きにくい。

代表モデルで並べるとこう

18V×2(36V)
例:MUR368D シリーズ
  • とにかくスタミナ重視(216Wh)
  • Whあたりの値段が安くコスパ◎
  • 18Vの他の道具とバッテリー共用OK
  • 本体重量 約4.5kg
  • 充電は2本同時の2口充電器が必須
40Vmax
例:MUR015G / MUR001G など
  • 後端モーターで振り回しが軽い
  • IP56で水・泥に強い(故障しにくい)
  • 最後までパワーが落ちない
  • これから先の主力・拡張性が高い
  • 導入費は高め・スタミナは18V×2に一歩譲る

※価格・スペックは販売店や時期で変わります。数字は2026年5月時点で調べた目安です。最終的にはマキタ公式・販売店で最新をご確認ください。

05互換性の落とし穴(ここだけは要注意)

マキタ選びで一番ハマりやすいのが、この「互換性」の話です。

18Vと40Vmaxは、まったく混ぜて使えない

結論、18Vの道具に40Vのバッテリーは挿せないし、その逆もダメ。完全に別物です。ライバルのハイコーキは混用できる仕組みですが、マキタはあえて互換性を捨てて、接点を頑丈にする道を選んだ。激しく振動する刈払機やチェーンソーで、接触不良による故障を防ぐためです。理屈は分かるけど、すでに18Vの道具をたくさん持っている人にとっては、バッテリーが2系統に増えるのが悩みどころ。

充電器は「ADP10」アダプターで1台にまとめられる

そこでマキタが用意した公式の救済策が、充電器用のアダプター「ADP10」(約5,300〜6,400円)。これを40V用の充電器(DC40RA)に付ければ、18Vのバッテリーも同じ充電器で充電できる。作業小屋に充電器1台でまとめられるので、徐々に40Vへ移っていく人には便利です。

マキタ 急速充電器 DC40RA
40Vmax用の純正急速充電器。ADP10と組み合わせれば18Vもこれ1台で。
Amazonで見る
マキタ 互換アダプタ ADP10(A-69967)
DC40RAに付けると14.4V/18Vバッテリも充電できる純正アダプター。
Amazonで見る
⚠️ 絶対にやめた方がいいこと

ネットで売っている安い「非純正の変換アダプター」(40Vを18V機で使う等)は使わないでください。

無理やり電圧を変換するため、モーターの焼き付き・バッテリーの発熱暴走・発火のリスクが高い。当然メーカー保証も一切効きません。仕事の道具が作業中に止まる損失を考えれば、充電器もアダプターも純正一択です。

06で、結局あの新人さんにはどう勧める?

ここまで調べて、最初の悩み「金物屋さんの言うまま40Vを勧めていいのか?」に、自分なりの答えが出ました。

🌾 たむちゃんの結論

マキタを1本も持っていない新人さんなら、40Vmaxで正解。自信を持って勧められます。

  • これから先、マキタが力を入れていくのは40V。長く付き合える
  • エンジン機に匹敵するパワーと、振り回しの良さ
  • IP56で雨・泥に強く、農作業で壊れにくい

逆に、すでに18Vの道具を何本も持っている人なら、「18V×2」も今でも賢い選択。手持ちのバッテリーを活かせて、連続作業のスタミナはむしろ上。金物屋さんの「新規なら40V」という勧めは、新しく始める人にはちゃんと理にかなっていました。

道具選びも、栽培と同じだなと思います。「みんなが言うから」「勧められたから」で何となく選ぶより、理由を一つでも自分で分かって選ぶと、納得して長く大事に使える。今回のことで、わたし自身も自分の40Vのことがやっと腹落ちしました。


この記事について

専門的な技術情報は、AIによる詳細リサーチ(マキタ公式サイト等を参照)の結果を、わたしが農家目線で読みやすく整理し直したものです。価格・型番・仕様は2026年5月時点で調べた目安で、時期や販売店によって変わります。実際に購入される際は、必ずマキタ公式サイトや販売店で最新情報をご確認ください。なお、当農園はマキタ社と利害関係はありません(一利用者としての整理です)。

🌱
田村翔(たむちゃん農園)
山形県・鳥海山麓で自然栽培5年目。大田市場で11年の青果目利きを経て就農。栽培・道具・農業経営のリアルを、現場目線で発信しています。
← ブログ一覧へ戻る

道具の話も、栽培の話も。

畑の作業の様子はYouTubeに全110本。
自然栽培5年目の試行錯誤を、動画でも残しています。